板橋大山教会 2011年 東京都板橋区 950×1400
「フランスのショロワ・メニヨ教会にある受胎告知のステンドグラスに描かれた、天使ガブリエルとマリア様を取り入れて、あとは自由にデザインして下さい」と教会から依頼され、大きな一粒の麦に二人が囲まれたデザインを考えてみました。
当初は神様の愛を象徴する花々の中にいる二人をイメージしましたが 教会の牧師さんは上部の赤が白で囲まれた丸い形を野の花で、その下のグリーンを葉っぱと解釈され、その横に鳥を描き、上方左右に麦の穂を、又下方左右に魚を一匹ずつ描き、そして大きな麦の中のひとコマひとコマに聖書66巻の象徴として66人の人の顔を描く事を提案されました。
二人の間には ラテン語で「ただ信仰のみ」と言う言葉が描かれています。
「お言葉どおり、この身になりますように」というマリア様の受容・・・、一粒の麦がイエス様を現わしているように、自己愛を捨て去って一粒の麦になることを決めたマリア様。
「このステンドグラスはマリア崇拝のステンドグラスではなく、信仰のみとするプロテスタントの基底を示したものです」と牧師さんは話しておられます。
書籍が並ぶ古い六畳の和室にこのステンドはなんだかとてもしっくりしていて、夜は内側から照明がなされ、仕事を終えて坂の下を通る人たちに愛と励ましを贈ろうとしています。